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2016年10月

2016年10月12日 (水)

骨粗鬆症治療薬と顎骨壊死:歯科治療は速やかに

骨粗鬆症治療に用いられるビスホスホネート剤(以下BP、週一回または月一回朝食前に内服が多い)は、以前から顎骨壊死(顎の骨が溶けるように壊れる)の副作用が示唆されており、歯科で治療を受ける際に一定期間休薬の必要性の有無が議論されていました。
これまでも歯科治療前にBP内服を三ヶ月程度休薬していた患者さんは少なくなかったと思われます。

ですが「顎骨壊死検討委員会」(医師や歯科医師内の専門家や各関連学会で形成)における最新検討結果によると、基本的に歯科治療を受ける前の休薬及びその間の歯科治療中断は必要性に乏しいとのことです。

内容を解釈しますと、「虫歯などを治療する前のBP休薬の有無で、顎骨壊死の発生率に有意差なし。むしろ歯科治療の開始遅延による症状増悪や、休薬による骨粗鬆症由来骨折の危険性増大が問題になる。」ということです。
また「顎骨壊死発生の危険性はBPより感染の影響が大きく、歯磨きを始めとする日頃の口腔内ケアが最も大切である」とも言えます。

なお上記は、我が国で骨粗鬆症に対し定められた量のBPを使用している比較的健康な方の場合であり、BPを悪性腫瘍の治療に用いている場合や、糖尿病や悪性腫瘍の治療中で免疫力が低下して感染の危険性が高い方にまでは当てはまりません。
その他の場合でもケースバイイケースの対応が必要な例がありえますので、ご注意をお願いします。

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