中高年女性の手指関節痛:女性ホルモンとの関係
40代以上の女性に散見される誘因不明確な手指の関節痛ですが、近年女性ホルモンの一つであるエストロゲンの減少との関連、すなわち更年期障害の一症状であることが示唆されています。
整形外科でこの症状を診る場合、使い過ぎなどの物理的要因や、症状の類似した関節リウマチなどの疾患以外の原因としてエストロゲン減少を考慮すべきです。
その場合、更年期という自然に生じる体の変化由来の病態に対しての治療は難しく、安易なホルモン剤投与は乳がんなどの副作用が危惧されますが、近年注目されているのは大豆イソフラボン由来のエクオールという、エストロゲンと類似の働きをする物質です。
豆腐200g、納豆50g、豆乳200gを毎日摂取することで、エクオールを必要量を体内で産生できることがわかっていますが、残念ながら日本人の半分強はエクオールを産生できる能力を持っていません。
エクオール産生能力がない方や、母親など血縁者に同様の症状を持つ方がいる場合には、上記の症状が出やすいという報告があります。
ただし産生する能力がない場合でも、エクオール自体を摂取すれば効果が期待できます。
当院ではエクオールを含むサプリメントやエクオール産生能を調べる検査キットを取り扱っています。
ただしいずれも健康保険適応外にて、自費診療となります。
詳しくは診察時にご相談ください。
またこちらもご参照ください(エクオール含有サプリメントを販売する大塚製薬のサイトです)。
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