心と体

2018年7月 8日 (日)

災害による避難時の準備:処方薬を持参しましょう

全国各地で豪雨による被害が相次ぎ、避難所での生活を強いられる方が多数出ていることと思います。お見舞い申し上げます。

災害などで自宅での生活が送れず、避難所などで過ごす場合には、身の回りの品を最低限持ち出すことになると思いますが、常用している薬(頓用の鎮痛薬なども含めて)がある場合には持参は必須です。
災害の規模によりますが、最低でも一週間分以上は必要になると思われます。
普段から非常時を想定して、医療機関受診は手元の処方薬が完全になくなる前のタイミングにするのもいいでしょう。
かかりつけの医療機関に受診することが望めず、他所からの応援で駆けつけた医療チームに当分お世話になる可能性もありますので、お薬手帳も必ず持参してください(こちらもご参照を)。

なお避難所での生活は平穏時と異なり、歩行など運動量が低下し、プライベートな空間が減るために心理的負担が増すことが予想されます。
また止むを得ないことですが、食糧事情も非常食をはじめ、おにぎりやパン、菓子などの栄養バランスが偏ったものになってしまいます。
高血圧や不整脈、糖尿病など生活指導が必須な疾患を抱える方は、普段から病状のコントロールに努めることで、非常時の病状増悪リスクを減らしましょう。

2018年6月 8日 (金)

消炎鎮痛薬の腎臓への障害について:発汗による脱水が危険です

近年は処方箋なしでも街の薬局で(薬剤師さんと相談の上で)購入出来る非ステロイド性消炎鎮痛薬(商品名ロキソニン、ボルタレンなど、以下NSAIDsと記します)の副作用でまず挙げられるのは胃腸障害ですが(こちらをご参照ください)、同様に留意すべきなのが腎臓への作用です。

元々NSAIDsには腎臓への血流を抑制し、また腎臓自体への作用により、尿の産生と排泄を抑制する傾向があります。
気温の上昇や運動による発汗の増加で脱水傾向になった場合、尿を介しての老廃物排出が抑制されがちになりますが、NSAIDsはこれを増強してしまいます。
よって特に暑い季節や激しい運動時にNSAIDsを過剰摂取することは、生命の危険に至り得る行為と言っても大げさではありません。
健康な若年者でも、内服NSAIDsの定められた量を超えて摂取することは控えるべきです(こちらもご参照ください)。

また高齢者の場合は、老化により腎臓の機能が低下傾向にあるため、脱水を伴わなくても下肢のむくみや尿量の低下などに始まる腎障害を呈しやすい状況にあります。
ゆえにNSAIDsの利用は痛みの強い間にとどめるべきです。
但し一回の使用量を減らすと鎮痛効果が不十分なため、結果的に使用回数を増やしてしまう可能性があるので、一回の使用量は通常量とし、使用間隔を空けたり回数を減らすことが望ましいです(腎障害で通院加療中の方は主治医にご相談ください)。

2018年5月 7日 (月)

外用剤による光接触皮膚炎:使用部位は4週以上被覆を

ケトプロフェン(薬効成分名)を含有した外用剤(湿布や塗り薬:商品名モーラスなど)による、使用した部分の皮膚が日光(紫外線)が当たることで発赤する副作用が近年知られており、薄着の季節、特に春から夏にかけては発生頻度が多くなるそうです。

腕や足などの確認しやすい部位の場合には発見が早いですが、背中や腰の場合には遅れることがあります。
異常を感じた場合には処方された医療機関に必ずご相談ください。
皮膚変化が強い場合には皮膚科での治療を要します。

発症を避けるため、これらを使用中は皮膚を衣類などで覆ってください。
また使用直後でなくても発症する場合があるので、使用後最低でも4週間は日光に直接当てないように気をつけてください。
なおケトプロフェン以外の薬効成分を含有した外用薬でも発現例がありますので、これは他の外用薬でも守ることが望ましいと考えます。

ご家族など他人から医師や薬剤師に無断で譲り受けた外用剤による発現例が散見されているようです(他の副作用も同様です)。
処方された薬剤は本人専用であることを忘れないようにお願いします。

2018年4月13日 (金)

足の水虫について:気づいたら即診察を

以前からお伝えしているように(こちら=過去の記事)、当院では足や足の爪の白癬(水虫)の治療を行っています。
軽〜中症のうちであれば外用薬で加療ができる場合が多いので、当院で処方や経過観察が可能です。

一般的には、治療開始のタイミングは「気づいたら即受診」です。足や爪の様子がおかしいと気づいた時点で、皮膚科や当院のように足の疾患を診てもらえる医療機関を受診してください。
感染したままの状態で様子を見ていても自然軽快はほとんど期待できず、一生涯にわたり感染したままの状態となります。
長期にわたり罹患している高齢者が施設に入所して、施設の職員や備品を介して(施設側も十分気を付けていますが完全な予防は不可能)、他の入所者にうつる場合もあります。

是非お気軽にご相談ください。

2018年3月10日 (土)

湿布かぶれ予防には乾燥肌対策を

湿布薬は全身性の副作用を避けながら局所の痛みを抑制する有効な手段ですが、使用後の皮膚トラブルが不可避です。
これを避ける有効な手段の一つが、皮膚の乾燥を避けることです。

外からの刺激を避ける皮膚のバリア機能は、乾燥状態では機能が低下することが知られています。
湿布薬による刺激も、バリア機能が低下すると炎症の原因になります。

乾燥肌を避けるためには、入浴後などに尿素など保湿成分を含んだクリームなどの外用薬を使用する(一般には市販薬で十分対処可能です)、室内の湿度を調節する、こたつなど熱源による刺激を長時間加えない、などの対策が必要です。

なお保湿薬と湿布薬を同一部位に併用する場合には、入浴後にまず保湿薬を塗布し、十分に乾いてから湿布薬を貼付するようにしましょう。

2018年2月 6日 (火)

インフルエンザなど感染性疾患の治療中の方について:感染拡大防止にご協力ください

今年は例年以上にインフルエンザが流行しています。
皆様お気をつけください。

当院の待合室は、咳やくしゃみ、嘔吐などで他人に感染症をうつす可能性のある方を隔離する設備がありません。
感染症が治癒せず、咳などが収まらない状態で受診を希望される方につきましては、急を要しない症状の場合には来院を急がず、感染症の治療を優先してください。

急性外傷など早期の診察を要すると思われる症状の場合には、一度お電話ください。
院内外でのマスクの着用はもちろんですが、来院時間の指示(受付終了時間近く)や、待ち時間に自家用車内での待機のお願いをすることになると思います。

医療機関にはインフルエンザやノロウィルスなどの感染が生命の危険となりうる抵抗力の弱い方がおられる可能性があります。
また医療者には、感染力の強い疾患が拡大することを防ぐため人々に指導をする責務があります。
どうかご理解をお願いします。

2018年1月16日 (火)

薬を使っていないのに副作用?

新薬の効能を調べる治験(臨床試験)では、実際に薬効成分を投与されていないのに効果が生じるというプラセボ(偽薬)効果 placebo effect の確認が不可欠ですが、一方で偽薬が登用されているのに副作用が発現するノセボ(反偽薬)効果 nocebo effect という概念があります。
これは治験時に副作用の説明を受けたところ、その発現を不安視しすぎたり、必ず発現すると信じ込むことが一因と考えられています。

また偽薬でなくても、副作用が生じていると不安が強くなったり、症状が増悪することを同様に呼称する場合もあり、最近では子宮頸癌ワクチン関連の報道が、整形外科では骨粗鬆症治療のビスホスホネートによる顎骨壊死がこれに当たります。
いずれも実際の副作用発現率を桁違いに上回る不安を患者さんに植え付けてしまっています。

薬剤以外でも同様の心理作用が生じるのが、交通事故後の患者さんです。
受傷後時間を経過してから痛くなることがある、という周囲の人の発現が印象強く残り、受傷から数ヶ月経過後に初めて発現した症状まで事故の影響と誤解し、症状改善が遅れるケースは珍しくありません。
なお追突事故で受傷直後には頚部痛や腰痛が出ないことはありますが、後から出るといっても数日程度です。

副作用による症状や長期間改善しない症状は心理的負担が大きいですが、科学的根拠に欠ける思い込みによるものならば大変悲しい事態です。
症状の不安はこまめに主治医や医療スタッフに相談して、かつ真偽不明の情報に惑わされずに正しい知識を得るようにしてください。

2017年12月26日 (火)

診察室での症状説明は極力ご本人からお願いします

当院では小児や高齢の患者さんの診察時には、ご家族の方の診察室同伴をなるべくお願いしています。
これは診療内容の説明を患者ご本人だけでなくご家族とその場で共有理解していただくことで、誤解を防ぐ意味合いがあります。

ただこの場合に度々見受けられるのは、初診時の症状の説明の際などに、ご本人の説明能力に特段問題がない場合であっても、ご家族の方がご本人を差し置いてお話ししてしまうケースです。

混雑する外来で迅速に症状を当方にお伝えしたいというお気遣いと思われるので大変恐縮なのですが、大抵の場合は症状や発症原因はご本人しか分からない情報なので、診察室では極力ご本人からお話しいただくようにしております。ご理解をお願いします。

なお乳幼児や発語表現が困難な合併症のある方、日本語および簡単な英語での説明ができない外国人の方(通訳の方同伴)はこの限りではありませんが、ご本人を蚊帳の外に置くような診療にならないように心がけております。

2017年11月18日 (土)

整形外科における超音波検査:レントゲンと併用しながら

整形外科で最も頻繁に行われる画像検査はX線検査(レントゲン写真撮影)ですが、最近は胸腹部の臓器と同様に超音波検査も行われています。

超音波の特徴は、X線で確認しにくい骨以外の組織が描出されること、X線被曝がないこと、患部を動かしながらの確認ができることです。
整形外科では筋肉や靭帯の損傷、骨以外の腫瘤を確認することなどに用いられますが、X線で描出困難な微小な剥離骨折の有無を確認することにも適しています。
ただし一般的な骨折の診断や、患部の全体像を把握することにはX線の方が好ましいです。

当院の診察では、両者のどちらを優先的に行うかは患部や症状により判断します。
また更に精査が必要と考えられる場合には、従来通りMRIやCT検査を行う(近隣病院に依頼)ことになります。

2017年10月11日 (水)

足の水虫について:気になったら相談を

当院では足部の障害の治療の一環として、軽〜中症の水虫(爪白癬および足白癬)を治療しています。
爪白癬の外用薬治療については以前当ブログでお知らせし(こちらを参照) 、治療継続中の方が何人もおられますが、足趾の間が痒くて皮膚が剥けているなどの症状がある方もご相談いただければ、水虫(白癬菌の有無)を検査し、治療をお勧めしています。

秋になって靴下を履く時間が長くなり、素足の状態を確認しにくい時期が続きます。
一度白癬菌に感染した足は自然治癒が困難であり、長期間感染が持続したままでは、加齢や病気により体の免疫力が落ちてくると状態が悪くなり、生命に影響することもありうるような様々な障害を引き起こします。
たとえ外見以外の症状がない場合でも、お気軽にご相談ください。

白癬菌は湿潤状態を好みます。
靴や靴下は清潔なものを使い、履いた後の靴は内部が乾くようにケアを、また足自体は入浴時に洗って汗などを流し、乾燥させておきましょう。
足の変形や筋力低下で足趾運動が困難であることは、白癬菌感染の危険因子です。

また足についた白癬菌による感染が成立するには丸一日かかると言われています。
銭湯などで不特定多数が利用する足ふきマットを利用した際には、帰宅後その日のうちに足部を洗い、乾いた状態にしておくことをお勧めします。

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