脱ぎ履きしやすい靴は機能性が低下します:用途限定で
最近巷の靴店でよく売れているのは、手や靴べらを使わずに立ったままで脱ぎ履きができることを売りにしている靴(スニーカー)です。
座ったり腰を曲げたりしないで脱ぎ履きできるので、腰痛や妊娠中で腰を屈めたり頻繁に立つ座るの動作が困難な場合や、手が不自由で靴紐を縛ったり靴べらを使うことが難しい方には有益であると思います。
靴店でもこのタイプの靴は高齢者に人気だそうです。
靴を正しく履くことが困難な方が踵を潰して履いている例は以前から散見されていますが、それに比べれば踵を靴に入れられるのは転倒予防の観点からは有効でしょう。
ただし、概して脱ぎ履きのしやすさは機能性と両立しません。
実際によく売れているメーカーのものは、脱ぎ履きがしやすく、靴べらなしで踵が靴に収まるのが容易な反面、それを実現するために足への固定性が弱くなるため歩行時の安定感が重視されておらず、長時間歩行や走る、スポーツをするといった用途には不向きです。
障害予防の観点から、靴選びには機能的合理性が不可欠です。目的にあった選択を忘れないようにしましょう。

